更新日 : 2013-02-04 10:29:07

地上に根を張る熱帯雨林の木

なにがすごいの?

熱帯雨林の木の根は、地上に大きな薄い板のように幹に付いているのが特徴です。
熱帯雨林の土壌は20cmほどしかないため、大きな木でも主根を地下に浅くしか張れないので幹の近くに巨大な側根を成長の途中で下ろしていきます。

この側根は地上から数メートルの高さがあり、湿気の多い土の上で重く大きな木を支えています。
この板のような側根は壁のように熱帯雨林の嵐から木を守るのです。
さらにこの奥行きの浅い側根は土壌からの栄養も最大限吸収し、効率よく幹に補給します。

どうやって役立てるの?

土壌が浅い地域での安定した建物の設計に役立てることができるかもしれません。

どんな研究をしているの?

側根の形成のシステムについて研究が進められています。
以前ご紹介した植物ホルモン(情報伝達物質)であるオーキシン(ヒマワリを陰で支えるオーキシン)が大きく関与し側根形成が始まることが分かりました。

側根が幹から離れすぎない場所で根を下ろしているシステムにはオーキシンのような植物ホルモンが他にも関わっていると考えられています。

どんな技術開発ができるの?

熱帯雨林は高温多湿なため有機物が分解されやすく実は土壌には薄い栄養土しかなく、ぎりぎりのところで側根が木を守り、その木の葉が雨を受け止め樹林自体が大量の雨を受け止め、太陽の光も利用することができます。

しかし、一度木を伐採してしまうと、雨がふったときに薄い土壌はたちまち流されるため、岩肌が露出し森林の再生が難しくなります。
大量の太陽の光と雨を有効に利用してきた熱帯雨林の木の構造は太陽光発電や雨力発電のデザイン設計に活かされるかも知れません。
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