更新日 : 2012-12-04 22:37:49

竜巻は巨大な遠心分離器

なにがすごいの?

巨大な積乱雲(せきらんうん)から細く伸びる、細長い漏斗(ろうと)のような雲。
日本ではあまり見かける機会はありませんが、これは竜巻です。

積乱雲の下の地上付近で、回転する風の流れができると、それが上昇気流に引き上げられて風の渦になります。
上昇気流によって渦が細く引き延ばされ、回転速度が上がってできるのが竜巻です。

強い竜巻が発生すると、地上にある建造物や森林が破壊されたり、家屋や車・樹木、時には人までもが渦に吸い込まれ、回転する渦の強力な遠心力(渦の中心から見て、外側に向かう力)によって遠くまで吹き飛ばされたりしてしまいます。
アメリカでは頻繁に竜巻が発生し、人々の生活に大きな被害を与えています。

どうやって役立てるの?

上昇気流と回転する時に発生する遠心力を利用して、サイクロン(粉体分離器:気体と液体、または気体と固体の混合物を分ける装置)として役立てることが出来ます。

どんな研究をしているの?

ドップラーレーダーを使って、竜巻の内部構造や発生するメカニズムが調べられています。
またコンピューターを使って、竜巻の発生をシミュレートする試みも行われています。

どんな技術開発ができるの?

イギリスのダイソン社は、竜巻を模倣して、新しいサイクロン式掃除機を開発しました。
掃除機の円筒内に小さな竜巻を起こし、遠心分離の原理で重いゴミは円筒の壁に当たって下方に落ち、軽くて細かな塵は上昇する空気の流れと共に上方へ吸い出される仕組みです。

また、サイクロンは、工場から排出する煤煙から粒子状物質を除去するためにも使われています。
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