更新日 : 2012-11-29 14:27:00

カエルの抗菌性ペプチド「テンポリン」

なにがすごいの?

カエルは以前ここでご紹介した「マガイニン」のような抗菌性ペプチド「テンポリン」を多くの種類で共通して作り出すことができます。

水中でも生活をするカエルは、私たちよりもたくさんの微生物が皮膚全体を攻撃する可能性が高いので、このような抗菌性ペプチドを数種類持ち、微生物から身を守っているのです。
テンポリンはカエルの皮膚から分泌され、菌類やウィルスなどの微生物の細胞膜に穴をあけます。

微生物は、その細胞膜が壊されてしまうと細胞内の物質が外に出てしまい、死んでしまいます。

※ペプチド : アミノ酸が2個から10個ほどつながったもの

どうやって役立てるの?

建物の塗装を長持ちさせる技術に役立てることができるかもしれません。

また建築資材の寿命を長くするようなコーティング技術や、木材の腐敗防止剤の開発にいかせるかもしれません。

どんな研究をしているの?

人工的に作成したテンポリンの濃度に応じて微生物の増殖が抑えられることが分かりました。

テンポリンの量が多くなるほど微生物の細胞膜の浸透性があがっていき、細胞膜が徐々に壊れていくと想像されます。
またテンポリンが持つケガの修復機能など、あらたな能力についても研究が行われています。

どんな技術開発ができるの?

両生類がもつ抗菌性ペプチドは、いろいろな種類の微生物に抗菌作用があるので私たち人間にとっての新しい薬としての技術開発も期待できます。

【参考】
・Mangoni ML et al., Effects of the antimicrobial peptide temporin L on cell morphology, membrane permeability and viability of Escherichia coli., Biochem J. , 380, 859-865, 2004
生体防御の秘密兵器・抗菌ペプチド 【2008年1月号】|東邦大学理学部生物学科
名前(必須) : メール :
タイトル(必須) :

※コメントの公開は承認制となっております。
※コメントを書き込んでも承認されるまでは表示されません。
※メールアドレスは管理者から直接メールがほしい場合に入力してください。入力しても表示されません。