更新日 : 2013-09-29 07:37:26

骨に学ぶ最小重量設計法

なにがすごいの?

骨に学ぶ最小重量設計法-「なにがすごいの?」画像
骨は、体を支え、外部からの衝撃から臓器を守るという重要な役割を持ちますが、その重さは、体重の5分の1しかありません。
小さな重量でありながらも、重いものを支えることができるというこの骨の特性は、その構造にポイントがあります。
骨の構造は、表面にある硬い「皮質骨」と、内部にあるスポンジ状の「海綿骨」でできています。

海綿骨の構造(骨梁構造)は、成長時に加わる荷重の分布に沿って自然と発達します。
そのため、骨梁は、力を分散して支持する構造を持ちます。
よって、骨は軽いながらも、衝撃に強いという特性を持つのです。

さらに、骨は圧力を感じます。
骨に力がかかることで、電気的な作用が生じて、骨の生成を促します。
そのため、無重力の宇宙から帰ってきた宇宙飛行士は、骨の密度が低下してしまうのです。

どうやって役立てるの?

構造物にこのような骨梁構造を適用すると、これまでより軽くて、強いものが設計できるはずです。

うまく骨に負荷を加えることで、老化後の骨密度の低下を防ぐ治療法になるかも。

どんな研究をしているの?

骨梁構造に注目した研究が行われています。
マイクロX線CT装置を用いて骨を3次元画像にし、骨梁構造を定量的に評価することで、海綿骨がすかすかになる骨粗鬆症のような老人性骨疾患の診断方法に応用しようとする研究が行われています。

また、数10ミクロンの骨梁自体の物性評価を行い、骨の力学的強度との関係を解明しようとする研究も行われています。

どんな技術開発ができるの?

骨に圧を加えると電気が発生し、骨の生成を促すことを利用した骨折治療法が提案されています。

最近では、外部から骨に電極を取り付け、極めて微弱な電気を流すことで、骨折の治療を早める方法があります。
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