更新日 : 2013-06-29 08:28:09
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環境によって、体の色を自在に操るアマガエル

なにがすごいの?

北アメリカの乾燥した場所に、小さなアマガエルが住んでいます。
彼らは体の色を瞬時に変化させることができます。
周りの温度に適応するために、自分の体の色を変えるのです。
また、葉っぱのような明るい緑色や、地面のような暗い緑色に変化することで鳥などの敵の目をくらませます。

アマガエルの色を作る細胞は色素胞と呼ばれています。
カエルの皮膚の層は一番上が黄色の色素の層、真ん中の透明な結晶の層、一番下が黒色の色素胞の層でできています。
真ん中の層が、他の層では吸収されない緑の色を反射するので、カエルは普段緑色なのです。

カエルの体の色の変化の仕組みは、一番下の黒い層の細胞の中で色素胞の中にあるクロマトソームという色素の粒が、細胞の中央に集まっていると薄い緑色になり、細胞全体に拡散しているときは暗い緑色になります。

どうやって役立てるの?

周囲の環境に合わせて、色を変化させるアメリカアマガエルの戦略は四季のある私たちのファッションにも役立てることができるかもしれません。

また温度にあわせて自動的に色が変わるような建物の外装をデザインすることができれば、エアコンに頼らずに快適に建物内での生活ができるでしょう。

どんな研究をしているの?

アメリカアマガエルは温度に適応して周りの温度が高いときは、入射光の反射率を大きくするために明るい色(黄緑色)になり、熱が入りにくくなります。
反対に周りの温度が低いときは、体温を維持するために熱エネルギーの吸収のよい暗い茶色に変化します。

また、周りの情報を目から脳に伝えて、特別なホルモン(情報を伝達する物質)が出ることも分かりました。
このホルモンにより、黒色の色素の粒が暗い場所では広がってカエルの体の色を暗い茶色へと変えるのです。
周りが明るいとホルモンが減って、散らばっていた黒色の粒も集まり体の色は明るい緑色に戻ります。

どんな技術開発ができるの?

例えば天候の変化の激しい山や海などで着用する衣類に、アメリカアマガエルのシステムを生かせるかもしれません。
人工的な色素が、周りの温度によって集まったり、広がったりすることにより暑さや寒さから身を守るレジャー用の衣類の開発が期待できます。

また建物の外装も、現在のように一色ではなく、お天気によって色が白から黒っぽい色へ変わることができれば、断熱材や、空調などにエネルギーを使わなくていいでしょう。

【参考】
asahi.com:カエルの色なぜ変わる? - ののちゃんのDO科学 - NIE - 教育

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